三年間をどう過ごすか。
任期を終えた前任のスポーツ隊員に聞きました。
「三年間を、どう使うのが良いと思いますか。」
前任者は少し間を置いて、こう答えました。
「最初にやったのは、教室づくりではなく、地域を知ることでした。」
私は、その言葉に三年間の本質が詰まっていると感じました。
前任者は、着任後すぐに事業を立ち上げたわけではありません。
まずは地域を歩き、人と話し、顔を覚えてもらうこと。
相談される立場になること。
そのための時間を惜しまなかったといいます。
制度や計画の中にある情報だけでは、本当の課題は見えてきません。
現場に立ち、対話を重ねる。
その積み重ねが、後の活動の土台になったそうです。
技術よりも「場」の提供。
”できるように”するより、”楽しく”する。
この意識を持ち続けられたことが、三年間前進し続けられた理由だと前任者は語りました。
「何かができるようになる」ことよりも、「運動が楽しくなる」ことを優先した。
参加のハードルを徹底的に下げ、できる・できないで評価しない。
まずは体を動かす楽しさを知ってもらう。
とにかく小さい変化でもやってみる。
それは時には事務所の席替えや片付けだったりもしました。
その設計思想が、三年間の結果につながったのだと思います。
三年間で構想段階を含めて50個ほどの企画を手がけました。
総合型地域スポーツクラブで行った園児、小学生向けの教室は参加者が増加。
派手ではないが着実な成果です。

地域から評価されたのは、技術そのものよりも“場”づくりでした。
山登りや散策に来た人が気軽に声をかけられる空気。
小学校の体育授業への参画。
スポーツを通じて人がつながる環境をつくったことが、大きな価値として残りました。
残された課題
一方で、前任者はうまくいかなかった挑戦もあると語ってくれました。
最大の壁は働き世代へのアプローチでした。
仕事を終えてから運動に参加することのハードルは想像以上に高い。
参加できている人には、
会場が自宅に近い、
すでにチームに所属している
といった明確な条件がありました。
時間設計と動線設計。
この領域は、まだ十分に解決されていないそうです。
また、ITやデジタル分野の業務改善は、自身の経験を活かせた一方で、属人化してしまったという反省もありました。
最も目標としていたスクール事業の他地域展開も実現には至りませんでした。
スポーツ少年団の存在を着任後に知ったことも、足踏みの一因だったそうです。
「失敗の影響を小さく、成功の影響を大きくすることが大切です。そうすれば次の挑戦の一歩が軽くなる。」
そう語る前任者は失敗した挑戦のいくつかを楽しそうに語ってくれました。
多くの挑戦があるからこそ、多くの成功がある。
そして、その何倍もの失敗もあったのです。

今回の募集は再現ではなく更新
ここが最も伝えたいことです。
私たちが求めているのは、前任者を完璧に真似できる人ではありません。
同じことを同じ精度で再現できる人を探すのであれば、三年間活動してきた前任者を継続して雇用する方が合理的です。
この募集は、欠員補充ではありません。
挑戦と進化のための募集です。
前任者が築いたのは土台です。
運動教室。
学校との信頼関係。
地域に開かれた空気。
それらは完成形ではなく、次の段階へ進むための基盤です。
働き世代への突破。
広域連携の構築。
仕組みの非属人化。
外部との接続。
三年間ですべてをやり切ることはできません。
前任者も、やり残したことがあると語っています。
だからこそ、次の三年があります。
求める人物像
では、次に求める人材はどのような人物か。
このミッションで最も重要なのはコミュニケーション能力です。
ただし、「話が上手い」という意味ではありません。
相手に寄り添う姿勢。
そして、自分の経験を言語化できる力。
スポーツが得意である必要はありません。
むしろ、できない人の気持ちがわかる人。
自分がどうやってできるようになったのかを説明できる人。
そのような人が向いています。
資格も必須ではありません。
小学校の体育指導の際には
「私は先生ではないので、“さん”付けで呼んでください」と伝えていたそうです。
指導経験がなくても、自身の動きを言語化し、かみ砕き、例え、言い換えることで、わかりやすい指導を実現していました。
一つでも「これなら教えられる」という強みがあれば、最初の一歩を踏み出しやすい。
それ以外は、村に来てから身につければよいのです。
最後に
今回は前任者にさまざまな話を聞きましたが、これはあくまで一人が歩んだ三年間の物語です。
前任者は任期中に会社を設立し、現在も玉川村でスポーツを教えながら会社を続けています。
他のミッションの地域おこし協力隊員も、それぞれの形で村を活性化させています。
前例を守る人ではなく、前例を超える人へ。
玉川村で、スポーツを通じて地域をさらに元気にする。
そんな三年間を、始めませんか。
【玉川村】

福島県の中南部に位置する玉川村は、人口約6,000人弱の自然豊かな村です。阿武隈山地の西斜面と阿武隈川東岸の平坦地からなり、四季折々の美しい景観が広がっています。
村の最大の特徴は、その抜群の交通アクセス。東北自動車道と繋がるあぶくま高原道路が村内を通り、玉川ICを有しています。さらに福島県の空の玄関口である福島空港があり、札幌(新千歳空港)や大阪(伊丹空港)への直行便が就航。東京からは230km、車で約3時間、新幹線利用なら郡山駅経由で約2時間と、首都圏からも好アクセスです。
「田舎なのに意外と便利」—それが玉川村の魅力。豊かな自然と利便性が共存する、まさに理想的な田舎暮らしが実現できる環境です。
【アクセス】
【列車】
- 東北新幹線で東京→ 郡山 (95分)、JR水郡線で郡山→ 泉郷駅 (35分)
【車】
- 東京-(120分)→ 矢吹IC -(10分)→ 玉川
【バス】
- バスタ新宿-(222分)→ 須賀川-(30分)→ 玉川
【飛行機】
- 大阪(伊丹空港)→福島空港(約70分)
- 札幌(新千歳空港)→福島空港(約95分)
福島県内主要都市(郡山市、いわき市、白河市)へも1時間程度でアクセス可能です。
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